春の雪 ★★★★☆
初めて読んだ三島由紀夫の本。難解な単語、言い回し、哲学思想と読み応えたっぷりの小説です。
とにかく日本語が美しいです。川端康成も非常に美しい日本語を書くと思いますが、川端康成が「はかなさ」に重点を置いた日本語とすると三島由紀夫は「はかなさ」の中にも信念の炎のようなものがあるように感じました。
内容にしていえば、感情のままに生きる清顕と実益的な人材になることを強く望む本多が印象的でした。個人的には本多の考えに近いので、途中から本多に感情移入しながら読んでしまいました。
中盤に出てくる輪廻転生の考えなどの仏教思想は一読の価値ありです。こういう本を読み出すと最近の中身の薄い小説では物足りなくなってきますね。
春の雪 (新潮文庫―豊饒の海)
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三島 由紀夫
新潮社
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溢れる美意識ストーカーの原型か?
日本文学の美しい頂の一つで。
日本文学における一つの頂点
「源氏以来の作品」